日本ワインとは

日本ワインとは

日本のワイナリーは今現在全国に約200存在し、北から南までそれぞれの土壌や気候に合わせた葡萄を栽培しワインを醸造しています。日本固有の葡萄品種である「甲州」や「マスカット・ベーリーA」を始め、様々な外来品種を使用し良質なワインが造られています。日本ワインの醸造技術は世界と同等のレベルであり、海外からも注目が集まっています。また日本国内でも、2013年あたりから日本ワインを扱う小売店や飲食店が急速に増加しており社会に浸透しつつあります。「日本ワイン」はこれから更に大きく発展して行こうとしています。

日本ワインと国産ワインの違い

日本ワインと国産ワインの違い

日本ワインとは、純粋に日本国内で栽培された葡萄のみを使用して醸造されたワインのことをいいます。逆に国産ワインとは国内で醸造されたワインという意味で、海外から輸入した葡萄、もしくは果汁を使用して醸造したワインのことです。両ワインを区別するために、日本で葡萄を栽培、醸造されたワインを「日本ワイン」と呼んでいます。国産ワインには、輸入果汁、輸入葡萄の表記が義務付けられており、区別することができます。今後は政府や自治体による原産地表示に対する表示や、葡萄品種の表示などの法整備がされていく傾向にあることから、これからの日本のワインの認識が変わっていくことに業界全体も注目しています。

日本ワインの歴史

1483年:公卿の日記「後法興院記」に関白近衛家の人がワインを飲んだという記録が残っている。

 

1549年:来日したフランシスコ・ザビエルが九州の大名に土産としてワインを持ち込んだと伝わる。

 

1709年:農学書「大和本草」に海外から輸入された葡萄酒の話が残る。

 

1873年:明治政府の大久保利通や黒田清隆が産業政策の一環として葡萄利用の多岐化に取り組む。

 

1874年:山田宥教と詫間憲久が山梨県甲府市で本格的なワイン醸造を始める。

 

1877年:農商務省の前田正名がフランスから葡萄の苗木を持ち帰る。
山梨県に日本初の民間ワイン企業「大日本山梨葡萄酒会社(祝村葡萄酒会社)」が創立される。
祝村から高野正誠と土屋龍憲がフランスに派遣され、葡萄栽培やワイン醸造の基礎を日本に取り込む。

 

1882年:世界のワイン産業を脅かしたフィロキセラ(アブラムシ一種)が日本に伝播し被害を受ける。

 

1890年~:川上善兵衛が葡萄栽培(現、岩の原葡萄園)を始める。後に葡萄の交配研究に取り組む。
神谷傳兵衛が栽培から醸造まで一貫生産する国内初のワイナリー「神谷葡萄園(現、牛久ワイナリー)」を立ち上げ、日本にワイン文化を普及させる。
日本全国で小規模な醸造所が創業され始める。

 

1939年:第二次世界大戦時に潜水艦ソナーや魚雷にワインの酒石酸が使用される。
これにより酒石酸が取り除かれた低品質なワインが増産された。

 

1964年、1970年:東京オリンピック、大阪万博開催によりヨーロッパやアメリカの文化が多く流れ込み、ワインが日本の生活に浸透。

 

  • 日本ワインの歴史
  • 日本ワインの歴史
  • 日本ワインの歴史

日本ワインの産地について

日本のワイン産地の特徴として挙げられるのは、気候の多様性です。北海道の緯度は44.0度。九州の緯度は31.4度で、なんと13度の差があります。フランスの北限シャンパーニュと南限のコルシカ島の差が6度であるのと比較して分かる通り、いかに南北に離れているかが分かります。そしてその気候の特徴が味わいに変化を生み、日本ワインを味わう上での醍醐味となっています。
また、高温多湿で肥沃な土壌の日本では、高級ワインになる葡萄の生産は難しいといわれていました。降雨量の多い九州などは、カビ由来の病害や、顆粒が破裂する玉割れという問題もあります。その条件の中で造り手の方達による創意工夫を経て、現在では醸造用の高級ぶどうの栽培も増えつつあります。

日本ワインの製造について

国産ワインの製造では、日本国内でワインをブレンドし、びん詰めなどの工程を経て製品化されます。一方の日本ワインの製造では、日本国内で栽培した葡萄などの原料を発酵させて製造していきます。そして製造法によって「スティルワイン(非発泡性ワイン)」、「スパークリングワイン(発泡性ワイン)」などの4つの種類に分けられています。ちなみにワインは、ビールや清酒とともに果物や穀物などの原料を発酵させて造る「醸造酒」です。

日本ワインの製造について

ワイナリーと造り手の違い

ワイナリー

ワイナリー(Winery)とは、ワインを生産する建物、または不動産、もしくはワイン会社など、ワイン製造に関わる事業のことをいいます。ワイン会社によっては自社ワイナリーを所有する場合もあります。大規模なワイナリーではワイン製造設備のほかに、倉庫やびん詰めライン(Bottling line) 、研究室や巨大なタンクなどを備えている場合もあります。

造り手

造り手は「ワイン用品種の葡萄を自然発酵させて造る、ワイン製造に関する知識と技術を兼ね備えた職人」というよりは、スタッフ全体を指すことが多いです。また造り手は、麹(こうじ)や微生物による発酵作用を利用して、ビール、日本酒、ワイン、醤油、味噌、酢などを製造します。海外では、葡萄園(ワイナリー)の経営は成功者の証です。ワイナリーで自家製ワインを造ることは、ステイタスとして知られています。

葡萄について

代表的な国産葡萄に甲州(こうしゅう)が挙げられます。甲州は、日本固有の葡萄品種です。これまでは、中国原産の「竜眼」(龍眼ロンガン)の変種とされていました。しかしDNA 鑑定によりそれが否定され、現在も由来については不明な点が多い品種です。生食用としても流通しているため、醸造者の調達経費が著しく高いことが難点とされています。しかしワイン醸造に適した強い酸味を持っています。日本で栽培される葡萄としては、将来性を秘めた品種です。

日本ワインの葡萄の種類

日本の醸造用葡萄栽培は一つの品種に一つの適地があります。しかし、一つの適地が二つの品種の適地になっていることで、生産量がまだまだ少ないとされています。ここでは、日本ワイン製造で使われる代表的な葡萄の種類についてご紹介します。

白ワイン用品種

甲州

甲州 甲州は栽培の歴史は千年ともいわれている、日本固有の白ワイン用品種です。日本でワインに仕込んでいる品種では最も多いとされています。2010年O.I.V(国際葡萄・葡萄酒機構)のリストに掲載されたことで世界的に注目が集まっている白ワイン用品種です。

デラウエア

デラウエア デラウエアは生食用の葡萄と思われがちですが、実は白ワイン用品種です。デラウエアからは、香り豊かなワインが造られます。近年はスパークリングワインが急増中です。栽培面積が最も広いとされているのは山形県です。

シャルドネ

シャルドネ シャルドネは、世界で最も有名なヨーロッパ系品種です。日本では1980年代前半から本格的な栽培が始まりました。今では日本各地、広範囲にわたって栽培されている白ワイン用品種です。

赤ワイン用品種

マスカット・ベーリーA

マスカット・ベーリーA マスカット・ベーリーAは、日本のワインの父である川上善兵衛が開発した品種です。新潟を筆頭に本州と九州で広く栽培されています。マスカット・ベーリーAも甲州同様、2013年にO.I.Vにオンリストされた日本の代表的な赤ワイン用品種です。

メルロー

メルロー メルローは、ボルドーで有名なヨーロッパ系品種です。日本ではシャルドネと同様に、1980年代から栽培されています。栽培面積が最も広いとされているのは長野県です。長野県塩尻市にある桔梗ヶ原はメルローの産地として名高く、品質向上が目覚ましい赤ワイン用品種です。

その他にも、東洋系品種の「善光寺」、アメリカ系品種の「甲斐ノワール」「ブラック・クイーン」、野生葡萄系の「小公子」「山幸」「ヤマソーヴィニヨン」など、日本の風土に合わせて開発された品種も見逃せません。

葡萄の栽培方法について

葡萄の栽培には多くの過程があります。病害虫の確認および対処、施肥、灌水、樹冠の管理、果実の成長具合の観察および収穫、冬季の剪定などです。葡萄園の管理と葡萄のできは、ワイン醸造を開始できるかどうかに関わります。このため、葡萄農家とワイン生産者は密接な関係にあります。

画像提供:シャトー・メルシャン様